情報セキュリティをはじめようと題して、数回に分けて掲載していきたいと思います。
今回は、その第1回目です。
1.セキュリティは今や企業における“必須課題”です!
自社の情報セキュリティの取り組みは万全ですか。株主、消費者、取引先のみならず社会全体から、情報セキュリティ対策の実施が求められています。いまや対応することが必須という中、やらされていると思って取り組んでいては、コストにしかなりえません。
そうならないように、情報セキュリティの本質を理解し、能動的に取り組んでいきたいものです。
2.ポイントはシンプル!情報セキュリティの考え方
まず、情報セキュリティの本質を理解するうえで、情報セキュリティの定義について共有しておきます。定義では、『情報の「機密性」、「完全性」、「可用性」を維持すること』となっています。
■「機密性」
情報資産を正当な権利を持った人だけが使用できる状態にしておくこと。
(対策例:ウイルス対策ソフトの導入、ファイアウォールの設置、サーバのアクセス権制御、データ暗号化、鍵付き書庫への保管など)
例えば、パソコンにパスワードを掛けるのは、機密性の対策の1つです。自社の情報を識別し、正当なアクセス権を設定しておくことで、情報を正当な権利を持った人だけが使用できる状態にしておきましょう。
■「完全性」
情報資産が正当な権利を持たない人により変更されていないことを確実にすること
(対策例:ウイルス対策ソフトの導入、ファイアウォールの設置、データ入力時の二重チェックなど)
例えば、ホームページを改ざんされた場合、完全性が維持できていない状態と言えます。ソフトウェアのセキュリティパッチを充てておくことなど、常に最新の脆弱性についてもチェックしておきましょう。
■「可用性」
情報資産を必要なときに使用できること
(対策例:UPS(無停電電源装置)の設置、ハードディスク二重化、データバックアップなど)
例えば、ハードディスクの故障により、データにアクセスすることができなくなり、業務が止まってしまったというと可用性が維持できていない状態と言えます。データの二重化をしたり、バックアップデータを取得しておくことなど、万が一に備えた対策を実施しておきましょう。
「機密性」、「完全性」、「可用性」の3つに重み付けをすると、個人情報保護法の影響もあり、「機密性」が重視されがちですが、果たしてどうでしょうか。いまや企業間の情報交換がなく市場に製品やサービスが提供されているというケースはまれで、企業間はつながっています。必要なときに使用できるという「可用性」のウェイトを高く考えてみてはいかがでしょうか。そうすることで、情報セキュリティの取り組みを、やらされることばかりではなく、ビジネスを止めない、関連企業からも満足を得られるための業務改善の一環として生かしていきましょう。
経営者のリーダーシップによって、情報セキュリティの一連の取り組みを経営に直結させていきましょう。そのためには、情報セキュリティの取り組みの最終目標は経営目標の達成であるという思いを従業員全員に伝え、共有してスタートしていきましょう。
(第2回に続く)
*当記事は、「キーマンズネット中小企業ITコラム」に掲載いただいたものです。