ソフトウェアを巡る環境の変化(2)

前回からの続きです。

では、なんでもかんでもオープンにするのが良いのか?
いや、そういうわけではない。

他社との差別化に繋がらないと判断される「非競争部分」を見極め、「非競争部分」については、汎用パッケージソフトウェア等の既製品を導入したり、他社と共同開発を行い、オープンにして、positive feedbackを得て、そのノウハウを取り込むといった動きがみられる。そのノウハウを取り込んだものを外販するというケースもある。


このような取り組みを通じて「非競争部分」のソフトウェアの開発に割く社内リソース(ヒト、カネ)を大幅に削減することで、他社との差別化につながる「競争部分」に社内リソースをつぎ込むことが可能となる。「競争部分」のソフトウェアの開発に関しては、日本企業の強みである垂直統合、囲い込み、すり合わせ戦略を最大限に活かして、積極的に作り込むことにより、他社との大幅な差別化を図ることが期待される。

これからのソフトウェア開発に当たっては、「競争部分」と「非競争部分」を見極め、
自社で内製して囲い込む(make)
既製品を導入する(buy)
自社開発又は共同開発したものを囲い込まずに外販する(sell)

という戦略を使い分けることが重要であろう。

ここで、主に「非競争部分」のソフトウェア導入に関して、知っておきたいキーワードを2つ書いておきます。

SOA (Service Oriented Architecture)
情報システムを構築する際に、アプリケーションの機能を1つ1つの「サービス」単位で分解し、それらのサービスを組み合わせてビジネスプロセスを構成する手法である。
SOAに基づく情報システムの設計とすることにより、既製のモジュールの組み合わせが進み、情報システムの構築や改修を低コストで行うことが期待される。情報システムの構築や改修が容易であれば、ビジネスの変更にも迅速かつ柔軟に対応できるため、スピード経営に資することも期待される。

SaaS (Software as a Service)
ユーザー企業に対して、「情報システム」そのものではなく、「サービス」を提供するものである。「サービス」は、「情報システム」と比べ、調達が容易である。また、情報システムを自社内にもたないため、情報システムの保守等に要するリソースを抑制できることも期待できます。合わせて、以前書いているSaaSの勢いは?という記事も参照頂ければ、よりSaaSの理解が深まると思います。

最後に、SaaSはASP(Application Service Provider)と混同するかもしれないので、下記に簡単に比較を記述しておきます。

 ASPSaaS
カスタマイズ性個別にカスタマイズが必要で費用が高価となる場合があるカスタマイズが容易で、ユーザー側からのカスタマイズも可能
アプリケーションとの連携連携の仕様が公開されておらず、他社の提供するアプリケーションとの連携が困難連携の仕様が公開されており、他社の提供するアプリケーションとの連携が可能


参考文献:「IT化の進展と我が国産業の競争力強化に関する研究会」中間とりまとめ(H19.6)資料
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IT | コメント(0) | トラックバック(0)2007/08/16(木)06:41

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 新木 啓弘

Author: 新木 啓弘
     (しんき よしひろ)

徳島県出身/東京都在住

株式会社インフォクリエマネジメント 代表取締役

中小企業診断士
ITコーディネータ
ISMS審査員
ターンアラウンドマネージャー(NPO法人金融検定協会認定)

砂にこぼれた雨の滴が
川と流れて海に向くように
人は生きて何を残そうか?
こんな小さな命だけど・・・
  「からっぽのブルース」より

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