評論家にはまだまだはやい

「東京物語」。こういう本を出張の帰りなんかにはリラックスして読んだりしています。
この本は再読ですが、読むときの状況や気持ち次第で心に残る部分って違うなあって感じました。印象に残ったのは「春本番」という短編の一コマ。一度目には気づかなかった。
時は1978年。キャンディーズの解散コンサート。外に漏れる音に誘われて後楽園にやってきた若者2人(画家になりたい若者と評論家になりたい若者)と、そこにいた酔っ払いのおじさんとの会話。
その酔っ払いがいいこと言っとります。


「東京はいいところだよ」
「何者かになろうと夢を抱いた人間が集まっているんだ」
「画家はどっちだっけ」

「ぼくです」
「頑張れよ」
「あ、はい」
「ナントカ評論家ってえのはどっちだ」
「ぼくです」
「おまえはだめだ」
「えーどうしてですか」
「若いもんが評論家なんかになってどうする。ああいう客席から人のやることに難癖つけるような仕事はジジイがやるもんだ。若いもんは舞台に上がるんだ。下手くそだって構わない。自分の頭と体を使って一生懸命何かを演じなきゃだめなんだ」
「若いってのは特権だ。失敗がいくらだってできるっていう特権だ。評論家は自分じゃ失敗しない仕事だろう。だからだめなんだ」

「はいはい」
「失敗のない仕事には成功もない。成功と失敗があるってことは素晴らしいことなんだぞ。これぞ生きてるって実感なんだ」
「おじさんは何しているんですか」
「小説を書いている」
「そのうち本を出すから、そんときは教えてやるからな」
「ここへ来ればおじさんはたいていいるぞ」

「ここで何をしているんですか」
「ここはな、野球場だけではないぞ。競輪場と競馬の場外馬券売り場もあるんだ」

コンサルタントという仕事も評論家になってはだめです。お客様と汗をかいてこそ成功につながるのかと。例えば、什器ひとつ動かしてみることでも口だけではなく、一緒に動かしてみる。すると動かした後は床の色が違っている。新たな問題が発生するわけです。実際動かしたことがない人には分からないことですよね。

今はまだまだ評論家になってはならないですね。




参考文献:「東京物語」奥田英朗




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自己実現 | コメント(0) | トラックバック(0)2007/09/19(水)06:39

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 新木 啓弘

Author: 新木 啓弘
     (しんき よしひろ)

徳島県出身/東京都在住

株式会社インフォクリエマネジメント 代表取締役

中小企業診断士
ITコーディネータ
ISMS審査員
ターンアラウンドマネージャー(NPO法人金融検定協会認定)

砂にこぼれた雨の滴が
川と流れて海に向くように
人は生きて何を残そうか?
こんな小さな命だけど・・・
  「からっぽのブルース」より

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